M&Aされる側にもワクワク感を醸成へ ー 映像クリエイティブを資産として活用したクアンドの実例【前編】

2024/9/22
M&Aされる側にもワクワク感を醸成へ ー 映像クリエイティブを資産として活用したクアンドの実例【前編】
📌 課題

ITスタートアップが歴史ある建設系企業を買収するという前例の少ないM&A。「どう伝えるか」という課題に直面しました。

✨ 成果

「M&Aの思いや意義をどう伝えるか」という問いから出発し、テキストや写真では伝えきれない部分を映像で補完。地域産業・レガシー産業のアップデートというテーマを示しました。

どうしてクリエイティブを作るのか? ― 目的を明確にする第一歩

こんにちは、スペースカウボーイです🤠
いきなりですが——
「正直、クリエイティブって"なくても困らない"のでは?」
そう思われる方、多いですよね。名刺やチラシはテンプレで十分。ホームページは最低限。動画もスマホで撮ってSNSに上げれば発信できる——わかります。
でも、ふとした瞬間にこんな気持ちが芽生えませんか?
「一度プロの力を借りてみたい」
その一方で、心のどこかで引っかかるのが——
「本当に費用に見合う効果があるのか?」
ですよね。
そこでこのシリーズでは、実際にクリエイティブ制作に踏み切った企業にお話を伺います。 「なぜ投資しようと思ったのか」「何が変わったのか」「事業成長とどうつながったのか」。現場のリアルな声を拾い上げ、みなさんのモヤモヤを「成果の見える化」へ導きます。
今回は、株式会社クアンド様よりご依頼いただいた映像クリエイティブの事例を、前編・後編に分けてご紹介します。
📹 動画はこちら - クアンドと南都技研のM&A事業承継ドキュメントをご覧いただけます

株式会社クアンド(笹木椿さん)

2019年に北九州で生まれたスタートアップ。建設設備業で直面した「人手不足・技術承継」の課題から、遠隔支援ツール 「SynQ Remote」 を開発しました。 全国20名規模のチームで、現場に根ざしたプロダクトを展開しています。

株式会社南都技研(新家遼士さん)

1970年創業、宮崎の地で50年以上にわたり 公共測量 と 補償コンサルタント を担ってきた老舗企業です。 2024年12月、株式会社クアンドに事業承継しました。
新家さんはM&Aに伴う経営統合と現場の効率化を推進するため、クアンドが本社を置く福岡県から宮崎県へ移住し、現場の方々と並走しながら改善に取り組んでいます。
クアンドと南都技研のM&A関係図
左からクアンド笹木椿さん、南都技研の新家遼士さん、スペースカウボーイの香月

M&Aという節目が生んだ「問い」

両社は2024年12月、業界でも珍しいM&Aを実現しました。ITスタートアップが歴史ある建設系企業を買収するという前例の少ない出来事。クアンドのコーポレート広報担当の笹木椿さんは、そこでまず「どう伝えるか」を考えました。
「日本でもほとんどない事例なので、第一人者としての姿を記録に残し発信したいと考えました。どういう会社をM&Aしたのか、どういう思いでやってきたのか。テキストや写真では伝えきれない部分を補うには映像が一番だと考えました。」
ご相談を受けたのは事業承継の調印の2ヶ月前。調印セレモニーを記録として残すだけでなく、クアンドの想いを伝えるにはどうしたらいいか、打ち合わせはそこからはじまりました。
一般にM&Aは「買う側/買われる側」の力学で語られがちで、事業が次の段階へ発展していく物語が伝わりにくくなります。そこで私たちは、あえて"買収される側"である南都技研の視点から語り始める構成をご提案しました。南都技研の想いを起点に、両社が対話を重ねて合意に至った経緯を、セレモニーを通じて描き出します。会議室で完結しがちな調印式を、①出会いのシーン、②調印、③予定されていた記念品の贈呈、④締めの対談――という流れに編み直し、それぞれに意味を持たせた一連のストーリーとして設計しました。
南都技研の多田代表
南都技研の多田代表

短時間での依頼へのチャレンジ

「本当にこの短い時間内でできるのかという不安は正直ありました。ただ、最初の打ち合わせ直後にスペースカウボーイさんが即座に構成案を出してくださって、こちらのイメージと一致していると分かり、不安はすぐになくなりました。」(笹木)
今回の映像は、単なる調印式の記録ではありませんでした。南都技研の背景や想い、そしてクアンドがなぜM&Aに踏み切ったのか——意志と文脈を可視化することを狙いとしました。
「南都技研の多田社長が語る際の表情やニュアンス、弊社クアンド代表の下岡が『IT企業が歴史ある建設業をM&Aするのは"普通じゃない"』と語ったメッセージを的確に汲み取り、編集に落とし込んでいただきました。見直すほどに、"お互いの一番良いところを活かして新しいやり方をつくる"というテーマが明確になったと感じています。地域・レガシー産業のアップデートとして描けたのが良かったです。」(笹木)
クアンドの下岡代表
クアンドの下岡代表

社内へのワクワク感醸成

今回の映像は、単なるPRにとどまらず、採用活動や同業他社への説明にも活用できる「ドキュメントとしてのクリエイティブ」としても機能しました。南都技研の新家さんは、まずクリエイティブそのものへの第一印象をこう振り返ります。
「動画を拝見して、単純に"このM&Aは良かった"と思える内容でした。形として残せたこと自体が大きな財産になりました。」
完成後は、社内のほぼ全員が視聴されたといいます。反応は前向きで、「ワクワク感」が生まれたそうです。下岡代表の言葉も盛り込まれていたことで、M&A後のビジョンに対する期待値が高まった点が大きかったそうです。
「下岡のメッセージがしっかり入っていたので、これからの方向性に期待感を持ってもらえたと感じています。」
なごやかに進んだ事業承継セレモニー
なごやかに進んだ事業承継セレモニー

後編<採用にも広がる効果>

後編では、採用活動にも波及する効果についてご紹介します。
詳細は関連記事からぜひご覧ください。

動画で見る


※本記事は株式会社クアンドと株式会社南都技研へのインタビューをもとに構成しています

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「SyncRemote」で「地域産業・レガシー産業のアップデート」を掲げる福岡発のスタートアップ企業

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